リノベに掛かる費用って一体何があるの?漏れなく把握して資金不足を回避したい
こんな疑問やお悩みにお答えします!
本記事の内容
- 物件取得に掛かる費用
- 設計・施工に掛かる費用
- 引き渡し後に掛かる費用
かくいう私も、2023年に中古マンションを購入し、フルリノベーションしました。
その実体験をもとにこの記事を書いています。
リノベーションに興味があるけど絶対に失敗したくない!という方への後押しとなれば幸いです。
また、リノベーションの大まかな流れを知りたいという方は以下の記事も合わせてご覧ください。
では、さっそく説明していきます!
物件取得に掛かる費用
ここでは住宅ローンを借り入れて不動産を取得する場合で説明します。
このときに掛かる費用としては以下があります。
- 物件購入費
- 物件取得関連費用
- 住宅ローン関連費用
- 登記関連費用
- 引き渡し時精算金
- 火災保険料
物件購入費以外の諸費用の額は、物件価格のおおよそ10%前後が一般的と言われています。
それでは順番に説明していきます!
物件購入費
費用額は、売主と最終的に合意した物件の価格となります。
この費用は売主が事業者でない場合は非課税のため、消費税が掛かりません。
ちなみに、不動産売買契約時には物件価格の一部を手付金として先に売主へ支払う必要があります。
支払った手付金は最終的に住宅ローンで手元に戻すことも可能です。
物件取得関連費用
仲介業者を介して不動産を取得する場合に掛かる諸費用です。
仲介手数料
売買契約が成立した時に、売主と買主の間に入って調整を行った仲介業者に成功報酬として支払う手数料です。
物件価格が400万円を超える場合は、物件価格×3%+6万円が費用として掛かります。
事務手数料
仲介業者に事務費用として支払う手数料です。
この費用が発生するかは会社によって方針が異なります。
一般的には仲介手数料に含まれることが多いようです。
印紙税
「不動産売買契約書」という文書に対して課税される税金です。
収入印紙を購入し、契約書に貼りつけた後、消印したタイミングで納税したことになります。
課税額は、印紙税法に基づき物件価格に応じて変動します。※不動産売買契約は軽減税率の対象
物件価格が1,000万~5,000万円の場合は1万円、5,000万円~1億円の場合は3万円の課税です。
なお、文書に対して課税されるものなので電子契約の場合は印紙は不要です。
住宅ローン関連費用
住宅ローンを借り入れる際に掛かる諸費用です。
住宅ローンはたとえ金利が低くても諸費用が高いという罠が潜んでいることがあるので、必ずトータルの支払額で比較しましょう。
保証料
金融機関への住宅ローンの返済不能時に備えて第三者の保証会社に支払う料金です。
万が一、ローンを返済できなくなった場合は、債務者に変わって保証会社が残りのローンを金融機関に支払います。
※ただし、債務者の返済が免除されるわけではありません
保証料は通常、借入金額に対する一定の割合で計算されます。
保証料0円を謳っている場合は、事務手数料や金利にその分が上乗せされていることがほとんどです。
保証料の支払い方法には、「一括前払い」あるいは「月々の住宅ローンの支払額に上乗せして分割で支払う」方法があります。
「一括前払い」の場合、ローンの一括返済や繰り上げ返済をすると借入期間が短縮されるため、支払った保証料の一部が返金されます。
事務手数料
金融機関に事務費用として支払う手数料です。
「定率型(借入金額×〇%)」と「定額型(一律〇万円)」の2つがあります。
「定率型」の場合は借入金額の2.2%というのが一般的で、この場合は保証料を不要とするケースが多いです。
「定額型」の場合は3万~5万円くらいが相場で、その分保証料が多くなったり、金利が高くなったりするケースが多いです。
印紙税
「金銭消費貸借契約書」という文書に対して課税される税金です。
収入印紙を購入し、契約書に貼りつけた後、消印したタイミングで納税したことになります。
課税額は、印紙税法に基づき住宅ローンの借入金額に応じて変動します。
借入金額が1,000万~5,000万円の場合は2万円、5,000万円~1億円の場合は6万円の課税です。
なお、文書に対して課税されるものなので電子契約の場合は印紙は不要です。
登記関連費用
中古マンションを購入したときには売主から買主に所有権を移転します。また、住宅ローンを借り入れる際には抵当権の設定が必要です。
これらの登記に掛かる税金として登録免許税が発生するのと、作業に対する報酬を司法書士に支払う必要があります。
所有権移転費用
所有権移転に掛かる登録免許税は、不動産(土地・建物)の固定資産評価額×税率で計算されます。
税率は土地・建物部分で異なり、土地については2026年年3月31日まで軽減税率が適用、建物についても2027年3月31日までは以下の条件を満たせば軽減税率が適用されます。
- 自分が住む家であること
- 床面積が50㎡以上であること
- 1982年(昭和57年)1月1日以降に建てられた住宅、あるいは一定の耐震基準等に適合していること
- 住宅取得後1年以内の登記であること
原則 | 軽減税率 | |
---|---|---|
建物 | 2% | 0.3% |
土地 | 2% | 1.5% |
また、この作業で司法書士に支払う報酬の相場は5万~10万円程度と言われています。
抵当権設定費用
抵当権とは、債務者が住宅ローンを返済できなくなった場合に、不動産を担保に金融機関が弁済を受けられる権利です。
抵当権の設定は住宅ローンを借り入れる際に必ず実施するもので、その作業に掛かる費用は債務者が負担します。
この作業に掛かる登録免許税は、住宅ローンの借入金額×税率で計算されます。
税率は原則0.4%ですが、2027年3月31日までは以下の条件を満たせば軽減税率が適用されて0.1%となります。
- 自分が住む家であること
- 床面積が50㎡以上であること
- 1982年(昭和57年)1月1日以降に建てられた住宅、あるいは一定の耐震基準等に適合していること
- 住宅取得後1年以内の登記であること
また、この作業で司法書士に支払う報酬の相場は5万~10万円程度と言われています。
その他費用
住宅用家屋証明書や登記事項証明書などの各種証明書の取得代金や事務手数料などの費用が掛かります。
引き渡し時精算金
引き渡し時に買主から売主に支払う費用です。
すでに売主の方で支払った固定資産税・都市計画税、管理費・修繕積立金などの費用を引渡日を境に日割りで精算します。
火災保険料
住宅ローンを借り入れる際には、火災保険への加入が必須です。
たとえローン返済中に火災で家を失った場合でもローンの返済義務は残るため、保険金で支払うことになります。
金額の相場は5年間一括払いの場合、1万~3万円、地震保険も付ける場合は5万~10万円です。
設計・施工に掛かる費用
設計費用(設計・工事監理費用)
リノベーションの設計と監理の作業に掛かる費用です。
設計作業では、施主から様々な要望をヒアリングし、建築基準法などの各種法律や条例などを守った上で工事ができるレベルまでに図面へ落とし込みます。
また、監理作業では、施工会社の選定や見積もりの精査をはじめ、設計図通りに工事が進んでいるかのチェックや引き渡し前の検査などを行います。
設計費用には主に人件費や諸経費、技術料などが含まれ、金額の相場は全体工事費の10~20%くらいと言われています。
工事費用
リノベーション工事そのものの費用です。
工事費用には主に人件費や資材費、諸経費が含まれます。
金額はリノベ会社や施工内容によってまちまちですが、基本的に平米数が上がっていくにつれて高額になります。
※各リノベ会社が公表している工事費用から平均を算出して作成
引き渡し後に掛かる費用
引き渡し後に掛かる主な費用は以下です。
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 管理費
- 修繕積立金
- その他費用
引き渡し後に一度だけ掛かる費用もあれば、毎月・毎年掛かる費用もあります。
順番に説明していきます!
不動産取得税
不動産(建物・土地)を取得した人に対して一度だけ課される税金で、固定資産の評価額×税率で計算されます。
税率は建物・土地いずれも原則3%ですが、それぞれ異なる軽減措置があり、計算方法が変わってきます。
なお、築10年~30年くらいの中古マンションの場合、軽減措置が適用されると不動産取得税は0円になることが多いです。
建物に対する軽減措置
建物に軽減措置が適用されるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 自分が住む家であること
- 床面積が50㎡以上240㎡以下であること
- 1982年(昭和57年)1月1日以降に建てられた住宅であること
税額は以下の式で計算されます。
税額=(建物の固定資産評価額-控除額)×3%
控除額は新築年月日に応じて以下の通りです。
新築年月日 | 控除額 |
---|---|
平成9年4月1日~ | 1,200万円 |
平成元年4月1日~平成9年3月31日 | 1,000万円 |
昭和60年7月1日~平成元年 3月31日 | 450万円 |
昭和56年7月1日~昭和60年 6月30日 | 420万円 |
昭和51年1月1日~昭和56年 6月30日 | 350万円 |
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 | 230万円 |
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 | 150万円 |
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日 | 100万円 |
土地に対する軽減措置
土地に軽減措置が適用されるのは、ひとつ前で説明した軽減措置の受けられる建物がその土地の上に立っていることが前提です。
税額は以下の式で計算されます。
税額=(土地の固定資産評価額×1/2×3%)-減額される額
減額される額には、以下の①と②のいずれか多い方の金額が入ります。
- 45,000円
- 1㎡当たりの土地の価格×(住宅の床面積×2)×3% ※住宅の床面積は200㎡が限度
固定資産税
固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有しているすべての人に課される税金です。
使い道は徴収した市区町村が自由に決められますが、公共設備の整備や行政サービスの運営などに使われます。
税額は、その年の1月1日時点の固定資産(土地・建物)の評価額×1.4%で計算され、毎年支払う必要があります。
都市計画税
都市計画税は、都市計画区域内に土地や建物を所有しているすべての人に課される税金で、道路や公園、下水道などの整備に使われます。
税額は、その年の1月1日時点の固定資産(土地・建物)の評価額×0.3%で計算され、毎年支払う必要があります。
管理費
マンション共用部分の維持、管理組合の運営などに使われる費用です。この費用は毎月発生します。
主な使途としては以下があります。
- マンションの日常的な清掃・点検などを行う管理員の人件費
- 会計業務や理事会・総会の運営業務などを行う事務管理費
- 共用設備(エレベーター・消防設備・自動ドア・宅配ボックスなど)の維持管理費
- 植木・植栽の維持管理費
- 共用部分の水道光熱費
国土交通省発行の「平成30年度マンション総合調査結果」によると、管理費の平均はおよそ16,000円です。
階数別に見てみると、一般的に20階建て以上の「タワーマンション」と呼ばれる部類は管理費が高い傾向にあります。
※出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」の管理費総収入から作成
また、戸数別に見てみると、20戸以下のマンションは管理費がかなり高く、戸数が増えていくごとに価格が下がっていく傾向にあります。
※出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」の管理費総収入から作成
修繕積立金
マンション共用部分の大規模な修繕工事のために積み立てる費用です。この費用は毎月発生します。
マンションによっても異なりますが、工事は10~15年の周期で行われます。
国土交通省発行の「平成30年度マンション総合調査結果」によると、修繕積立金の平均はおよそ12,000円です。
階数別に見てみると、一般的に20階建て以上の「タワーマンション」と呼ばれる部類は修繕積立金が高い傾向にあります。
※出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」の修繕積立金総収入から作成
また、戸数別に見てみると、20戸以下のマンションは修繕積立金が若干割高、501戸以上は比較的高い傾向にあります。
※出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」の修繕積立金総収入から作成
その他費用
その他の費用としては以下があります。
- 引っ越し代
- 不用品回収費
- 家具・家電購入費
- 駐車料金・駐輪料金
- 専用庭使用料
- ルーフバルコニー使用料
- トランクルーム使用料
- 町内会費
- 水道光熱費・通信費
見落としがちな費用もあるので後で困らないようにしっかり予算に組み込みましょう。
まとめ
今回は中古マンションを購入してリノベーションする際に掛かる費用一覧について説明しました。
せっかくリノベをするのに資金不足に陥ってやりたいことを諦めた・・・
ということにならないように万全の準備をして臨みましょう!