中古マンションにおけるリノベーションの制約とは?

リノベーションなら何でもやりたいことができるというけど本当にそうなの?
何か制約事項や落とし穴があるなら事前に知っておきたい

こんな疑問やお悩みにお答えします!

本記事の内容

  • リノベの制約事項
  • リノベでできること
  • リノベで失敗しないコツ

かくいう私も、2023年に中古マンションを購入し、フルリノベーションしました。

その実体験をもとにこの記事を書いています。

本記事を読むとリノベーションの制約事項を事前に知って対策することができます。

リノベーションに興味があるけど絶対に失敗したくない!という方への後押しとなれば幸いです。

また、リノベーションの大まかな流れを知りたいという方は以下の記事も合わせてご覧ください。

では、さっそく説明していきます!

目次

リノベーションの制約

リノベの制約には建物上の制約管理規約による制約の大きく2つがあります。

建物上の制約

構造

リノベをする際に気にするべきマンションの構造には、壁式構造ラーメン構造の2つがあります。

これらの構造は基本的に間取り図から推定が可能です。

それぞれの構造の主な特徴、メリット&デメリットは以下の通りです。

壁式構造ラーメン構造
特徴・壁、床、天井で建物を支える
・低層マンションに多い
・柱と梁で建物を支える
・中高層マンションに多い
メリット柱や梁がないためスッキリとした間取りにできる部屋の仕切りを取り外して自由に間取りを変更できる
デメリット取り外せない壁が多く、間取りの制約がある柱や梁があるため間取りへの考慮が必要

柱の位置・大きさ

柱はマンション全体を支える構造体の一つのため動かすことも形を変えることもできません。

間取り図から確認できることが多いです。

梁の位置・大きさ

梁(はり)はマンション全体を支える構造体の一つのため動かすことも形を変えることもできません。

間取り図に載っていないため直接現地に行って確認が必要です。

給排水管&ガス管の位置

給排水管やガス管は間取り図でPS(パイプスペース)と書かれたところにあります。

PSの配管類は上下階の住戸と共用のため位置をずらすことはできません。

PSの位置は動かせないものとして間取りを考える必要があります。

水回りの位置

PS(パイプスペース)にある共用の排水管に汚水を流すためには、住戸内の配管に対してそこまで十分な傾斜を付ける必要があります。

トイレや浴室、キッチンなどの水回りがPSから離れる場合はそれだけ傾斜が必要です。

この傾斜が付けられるようにマンションによっては水回りだけあらかじめ床下の空間を大きく確保していることがあります。

一方で、築古のマンションだと下の階の住戸の天井裏に配管を通している場合があり、その場合は位置変更はほぼ不可能です。

給排気口の位置・数

基本的に給排気口は従来から開いている穴をそのまま使用することになるので、あらかじめそれらの穴の位置を考慮に入れた上で間取りを考える必要があります。

電気容量&ガス容量の上限

電気・ガスはマンション全体での容量があらかじめ決まっており、各住戸に均等に割り当てられています。

使用容量はその上限の範囲内に収める必要があり、床暖房を新設したいという場合やエアコンを増設したいという場合には注意が必要です。

管理規約による制約

管理規約とはマンションにおけるルールを定めたものです。

管理規約の中でリノベをする際の制約には主に以下があります。

共用部分

マンションは専有部分共用部分に分かれます。

リノベができるのは専有部分だけで、共用部分は基本的に手を付けることができません。

共用部分の主な例には以下があります。

躯体
(柱・梁・天井・床・壁)
マンションを支える構造体であり、耐震性能に影響するため穴あけやビス打ちは禁止されていることが多いです。
ただし、追い焚き配管の新設やエアコンの増設などでどうしても穴あけが必要になる場合もあります。
その場合は、駆体の中の鉄筋を切らないようにすれば許可されるケースもあります。
給排水管
・ガス管
給排水管・ガス管はPS(パイプスペース)と呼ばれるところにあります。
上下階の住戸と共用のため勝手に新しいものと交換したり、位置をずらすということができません。
玄関ドアマンション全体の外観に影響するため基本的に変更できません。
同じものとの交換も管理組合の許諾が必要です。
室内側だけ塗装やシートを貼ることが可能な場合もあります。

(サッシ+ガラス)
マンション全体の外観に影響するため基本的に変更できません。
同じものとの交換も管理組合の許諾が必要です。
マンションによってはガラスの交換だけ区分所有者の方で可能なこともあります。
網戸マンション全体の外観に影響するため基本的に変更できません。
同じものとの交換も管理組合の許諾が必要です。
マンションによっては網の張替えだけ区分所有者の方で可能なことが多いです。
バルコニーマンション全体の外観に影響するため増改築ができません。
ただし、管理組合の許可をもらえばウッドデッキなどの設置は可能です。
その場合でも、大規模修繕工事の際には一時的に撤去しなければなりません。
インターホン
・火災報知器
オートロックのマンションではエントランスの集合玄関機と各住戸の親機が連動しているため自己都合での変更・交換ができません。
インターホンと一体となっていることが多い火災報知器もマンション全体の非常通報設備と連動しているため自己都合での変更・交換は不可です。
熱感知器
・煙感知器
各住戸の感知器はマンション全体の非常通報設備と一体となっているため自己都合での変更・交換ができません。
ただし、故障したときの修理は区分所有者での負担の場合が多いです。

遮音性能

マンションによって床の遮音等級(L値)というものが決まっています。

遮音等級とは下の階にどれだけ生活音が伝わりにくいかを表す指標で、値が小さいほど遮音性能が高いです。

リノベ時にはその遮音等級を守る必要があります。

リノベでできること

リノベをする際には、施工内容を管理組合に伝えて許可をもらう必要があります。

許可がもらえなければ施工することはできませんが、一般には以下の内容であれば実施が可能です。

間取り変更

マンションがラーメン構造であれば間取りを自由に変更することが可能です。

壁式構造の場合は壊せない壁があるため、多少制約があります。

内装変更

専有部分であればクロス(壁紙)の貼替え、塗装、建具の交換、造作家具の取り付けなどが自由にできます。

床材変更

管理規約に定められた遮音等級を満たす必要がありますが床材の変更は可能なことが多いです。

ただし、マンションによってはカーペットや畳からフローリング等への床材の変更をそもそも禁止しているところもあります。

天井高さの変更

専有部分であれば既存の天井高さから変更することが可能です。

一般的なマンションは梁やダクトなどを隠蔽するために吊り天井となっていることが多いですが、それらを取っ払って天井を高くすることも可能です。

水回りの移動

PS(パイプスペース)にある共用の排水管に汚水を流すことのできる範囲内で水回りの移動は可能です。

ただし、建物の制約上厳しい場合や、管理規約で禁止されている場合には移動ができません。

断熱性アップ

専有部分であれば壁や天井の内側に断熱材を入れることや、内窓を付けて断熱性をアップさせることは自由にできます。

スイッチ&コンセントの移設・増設

スイッチやコンセントは自由に移設や増設が可能です。

ただし、増やしたからといって電気容量が増えるわけではありません。

設備交換

システムキッチンやユニットバス、トイレなどの既存設備は自由に交換することが可能です。

給湯器の交換

同じ電気容量・ガス容量の給湯器であれば交換が可能です。

床暖房の新設・性能アップ

各住戸に割り当てられている電気容量・ガス容量次第では床暖房の新設や性能アップが可能です。

熱感知器&煙感知器の移設

基本的に感知器の移設は可能ですが、取り付け位置は消防法で定められたルールに準拠する必要があります。

リノベで失敗しないための3ステップ

STEP 1 間取り図を確認する

パイプスペース(PS)や柱の位置・大きさ、壁式/ラーメン構造かどうかは間取り図から読み取れることが多いです。

STEP 2 内覧して実物を確認する

梁の位置・大きさ、給排気口の位置・数などは間取り図から読み取れないので実際に現地に行って確認しましょう。

STEP 3 管理規約を確認する

共用部分の定義や遮音等級などについてはマンションの管理規約を確認しましょう。

まとめ

今回は中古マンションを購入してリノベーションする際の制約事項について説明しました。

様々な制約の中で考える必要があるため大変ではありますが、それがリノベーションの醍醐味でもあります。

これらの制約を踏まえつつ、あなたも楽しみながら理想のお家を実現してみてください!

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この記事を書いた人

はじめまして。Shodaiです。名古屋在住の30代独身。
メーカー勤務ですが仕事はIT系でほぼリモートワークの毎日です。
趣味はキャンプ・旅行。日本酒が好きで旅先の酒蔵を回ってます。
2023年に中古のマンションを購入し、フルリノベーションをしました。

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