リノベ判断の教科書
お金・ローン

中古マンションに住んでからかかる費用|管理費・税金・維持費まとめ

中古マンションは購入して終わりではなく、住み始めてからも継続的に費用が発生します。

管理費や修繕積立金、税金など、毎月・毎年かかるお金を把握していないと、家計の負担が想像以上になることもあります。

この記事では、中古マンションに住んでからかかる費用について、長期的な視点で整理していきます。購入時にかかる諸費用は別記事で整理しています。

お金・ローン

中古マンション購入時にかかる諸費用まとめ|物件価格以外に必要なお金

中古マンションを購入するときに必要なのは、物件価格だけではありません。契約から引き渡しまでにかかる「一度きりの費用」を中心に、何に、いつ、どれくらい必要になるのかを整理します。

結論

  • 引き渡し後は不動産取得税・固定資産税・都市計画税・管理費・修繕積立金が発生
  • 管理費の平均はおよそ17,000円、修繕積立金の平均はおよそ13,000円(月額)
  • 中古マンションは軽減措置により不動産取得税が0円になるケースが多い
  • 管理費は階数・戸数による差が大きく、修繕積立金は戸数による差はあるが階数による差は小さい

引き渡し後に掛かる費用

引き渡し後に掛かる主な費用は以下です。

  • 不動産取得税
  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 管理費
  • 修繕積立金
  • その他費用

引き渡し後に一度だけ掛かる費用もあれば、毎月・毎年掛かる費用もあります。順番に見ていきます。

不動産取得税

不動産(建物・土地)を取得した人に対して一度だけ課される税金で、固定資産の評価額×税率で計算されます。

税率は建物・土地いずれも本来4%ですが、令和9(2027)年3月31日までの特例で3%に軽減されています。

なお、築10年~30年くらいの中古マンションの場合、軽減措置が適用されると不動産取得税は0円になることが多いです。評価額が一定額未満なら、そもそも課税されない「免税点」という仕組みもあります(家屋の取得の場合、令和8年4月1日以降は1戸につき66万円未満、それより前の取得は23万円未満)。

建物に対する軽減措置

建物に軽減措置が適用されるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 自分が住む家であること
  • 床面積が40㎡以上240㎡以下であること(令和8年4月1日以降に取得した場合。それより前に取得した場合は50㎡以上240㎡以下)
  • 次のいずれかを満たすこと
    • 1982年(昭和57年)1月1日以降に建てられた住宅であること
    • それより古い場合は、新耐震基準への適合証明を受けていること
    • いずれも満たさない場合は、取得後6ヶ月以内に耐震改修を行い、適合証明を受けること

床面積は、共用部分をあん分した上での床面積で判定されます。ポータルサイトなどに表示されている広さ(壁芯面積)と登記簿上の面積(内法面積)は一致しないことが多く、床面積要件のボーダーライン付近の物件では、この差が軽減の可否を左右することがあります。

税額は以下の式で計算されます(3%の税率は令和9年3月31日までの特例)。

税額=(建物の固定資産評価額-控除額)×3%

控除額は新築年月日に応じて以下の通りです。

新築年月日 控除額
平成9年4月1日~ 1,200万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日 1,000万円
昭和60年7月1日~平成元年 3月31日 450万円
昭和56年7月1日~昭和60年 6月30日 420万円
昭和51年1月1日~昭和56年 6月30日 350万円
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 230万円
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 150万円
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日 100万円

土地に対する軽減措置

土地に軽減措置が適用されるのは、ひとつ前で説明した軽減措置の受けられる建物がその土地の上に立っていることが前提です。

税額は以下の式で計算されます。

税額=(土地の固定資産評価額×1/2×3%)-減額される額

このうち「×1/2」と「×3%」の部分には、建物と同じく令和9(2027)年3月31日までという適用期限があります。一方、次の「減額される額」を差し引く仕組み自体には期限がありません。

減額される額には、以下の①と②のいずれか多い方の金額が入ります。

  1. 45,000円
  2. 1㎡当たりの土地の価格×(住宅の床面積×2)×3% ※住宅の床面積は200㎡が限度

不動産取得税の軽減は、多くの都道府県で申告しないと適用されません。固定資産税のように自動で軽減後の金額が届くわけではなく、取得後の期限内に自分で申告する必要があります。申告を忘れると軽減前の金額で課税され、後から取り返すのが難しいケースもあります。確率は低くても、忘れたときの損失は数十万円単位になり得て、かつ撤退(やり直し)が効きにくいという点で、内覧や資金計画と同じくらい意識しておく価値があります。

固定資産税

固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有しているすべての人に課される税金です。

使い道は徴収した市区町村が自由に決められますが、公共設備の整備や行政サービスの運営などに使われます。

税額は、その年の1月1日時点の固定資産(土地・建物)の評価額×1.4%で計算され、毎年支払う必要があります。

都市計画税

都市計画税は、都市計画区域内に土地や建物を所有しているすべての人に課される税金で、道路や公園、下水道などの整備に使われます。

税額は、その年の1月1日時点の固定資産(土地・建物)の評価額×0.3%で計算され、毎年支払う必要があります。

管理費

マンション共用部分の維持、管理組合の運営などに使われる費用です。この費用は毎月発生します。

主な使途としては以下があります。

  • マンションの日常的な清掃・点検などを行う管理員の人件費
  • 会計業務や理事会・総会の運営業務などを行う事務管理費
  • 共用設備(エレベーター・消防設備・自動ドア・宅配ボックスなど)の維持管理費
  • 植木・植栽の維持管理費
  • 共用部分の水道光熱費

国土交通省発行の「令和5年度マンション総合調査結果」によると、管理費の平均はおよそ17,000円です。

単棟型(1棟だけで構成されるマンション)を階数別に見ると、20階建て以上のいわゆる「タワーマンション」は管理費が突出して高くなっています。4〜19階建ては16,000円〜17,000円台にとどまりますが、20階建て以上だけは24,585円まで上がります(この傾向は前回の平成30年度調査でも同様に確認できます)。なお「3階建て以下」も高めの数値ですが、この区分は回答数が18件と少なく、参考値として見る必要があります。

管理費(月額・戸あたり)/階数別(単棟型)

3階建て以下20,112円
4〜5階建て17,529円
6〜10階建て16,944円
11〜19階建て16,597円
20階建て以上24,585円

出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」データ編 表27②より作成

また、戸数別に見ると、20戸以下の小規模マンションと501戸以上の大規模マンションがともに20,000円を超えて高く、151〜200戸程度の中規模マンションが13,932円と最も低くなっています。単純に「戸数が増えるほど下がる」わけではなく、小規模と大規模の両端で割高になりやすいと捉えたほうが実態に近いです。

管理費(月額・戸あたり)/総戸数規模別

20戸以下22,131円
21〜30戸19,538円
31〜50戸17,147円
51〜75戸17,044円
76〜100戸15,500円
101〜150戸15,665円
151〜200戸13,932円
201〜300戸15,315円
301〜500戸14,680円
501戸以上21,513円

出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」データ編 表27②より作成

修繕積立金

マンション共用部分の大規模な修繕工事のために積み立てる費用です。この費用は毎月発生します。

マンションによっても異なりますが、工事は10~15年の周期で行われます。

国土交通省発行の「令和5年度マンション総合調査結果」によると、修繕積立金の平均はおよそ13,000円です。

管理費とは異なり、修繕積立金は階数による差がはっきりしません。単棟型を階数別に見ると、20階建て以上は13,834円と平均並みで、4〜5階建て(13,864円)とほぼ同水準です。管理費のような「高層ほど高い」という明確な傾向は見られません(この傾向も平成30年度調査と一致しています)。

修繕積立金(月額・戸あたり)/階数別(単棟型)

3階建て以下14,231円
4〜5階建て13,864円
6〜10階建て13,637円
11〜19階建て12,626円
20階建て以上13,834円

出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」データ編 表28⑥(4)より作成

一方、戸数別に見ると管理費と似た傾向があります。20戸以下の小規模マンションが16,023円と最も高く、51〜75戸程度の中規模マンションで12,225円まで下がったあと、501戸以上の大規模マンションで再び14,686円まで上がります。

修繕積立金(月額・戸あたり)/総戸数規模別

20戸以下16,023円
21〜30戸15,080円
31〜50戸13,801円
51〜75戸12,225円
76〜100戸12,499円
101〜150戸13,196円
151〜200戸12,722円
201〜300戸12,870円
301〜500戸12,516円
501戸以上14,686円

出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」データ編 表28⑥(4)より作成

その他費用

その他の費用としては以下があります。

  • 引っ越し代
  • 不用品回収費
  • 家具・家電購入費
  • 駐車料金・駐輪料金
  • 専用庭使用料
  • ルーフバルコニー使用料
  • トランクルーム使用料
  • 町内会費
  • 水道光熱費・通信費

見落としがちな費用もあるので後で困らないようにしっかり予算に組み込みましょう。

まとめ

中古マンションに住んでからかかる費用は、毎月・毎年の積み重ねになります。

購入前の段階で、こうしたランニングコストを把握しておくことで、無理のない住まい選びにつながります。

短期だけでなく、長期的な視点で考えることが大切です。

中古マンション購入からリノベ完成までの全体の流れは、以下の記事で整理しています。

はじめ方

中古マンション購入〜リノベ完成までの流れ【保存版】|全体像・期間・つまづきポイントを実体験で解説

中古マンションを購入してリノベーションするまでの流れを、期間の目安とつまずきやすいポイントとあわせて実体験をもとに解説します。