リノベ判断の教科書
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個室トイレを暗くした理由|色ではなく照度で圧迫感を消す考え方

照度を落としたトイレ個室。真鍮のペンダントライトとドライフラワーで柔らかい陰影を作っている。

我が家のリノベーション全体像は、以前の記事で紹介しました。

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中古マンションリノベーション事例|3LDK+土間でインダストリアル×ホテルライクを実現

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この記事では、そのうちの一室である「トイレ」を取り上げます。

家全体はブラックを基調にしていますが、トイレの壁紙はあえて黒を外し、他の部屋より明るいグレー系を選んでいます。それでも実際の部屋は「暗い」印象です。色を明るくしたのに暗く感じる、というのは矛盾しているようですが、これは狙い通りの状態です。色で調整したのではなく、照度(明るさの絞り方)で圧迫感を消しにいった判断を記録として残します。

結論の要約

  • 壁紙は家の中でもむしろ明るめのグレー。黒基調から意図的に外した
  • 圧迫感を消しているのは色ではなく「照度を落とすこと」。影が伸びて壁と天井・床の境界がぼやけ、正確な広さを認識しにくくなる
  • 照明は真鍮のペンダントライト1灯。光源を絞って陰影を作る狙い
  • ドライフラワーと木の造作カウンターで、無機質になりすぎないよう質感を足した
  • 住んでみて、圧迫感より「落ち着く個室」という印象の方が強い

背景・前提整理

家全体のコンセプトは「インダストリアル×ホテルライク」で、ブラックを共通言語にしています。詳しい経緯は全体像の記事にまとめています。

トイレはこの原則の例外です。狭い個室を黒でまとめると、色そのものが空間を狭く見せてしまうのではないかという懸念があり、壁紙は明るめのグレーにしました。ただし、照明の絞り方で結果的に「暗い部屋」になっています。色の判断と明るさの判断は別軸で考えた、というのがこの部屋のポイントです。

空間の作り方

色:あえて黒を外し、明るめのグレーにした

壁紙は、家の他の部屋よりも明るいグレー系のクロスを選んでいます。床は塩ビタイルで、こちらは他の部屋と合わせて暗めのトーンです。

狭い個室を暗い色でまとめると、色そのものが空間を圧縮して見せてしまうリスクがあります。壁の色で圧迫感対策をするのではなく、照明の絞り方で対応する方針に切り替えた結果、壁紙は家の中でもむしろ明るい部類になりました。

照度:光を絞って境界をぼかす

この部屋の圧迫感対策の本体は、実はここです。

シーリングライトは使わず、真鍮製のペンダントライトを1灯だけ吊っています。

トイレに設置した真鍮製ペンダントライトの電球部分。光源を絞って陰影を作っている。

部屋全体を均一に照らすのではなく、光源を絞って陰影を作る照明にしました。光が均一に届かないぶん、壁と天井・床の境界に影が伸びます。境界線がはっきり見えないと、人は部屋の正確な広さを目で確認しにくくなり、結果として狭さを意識しにくくなる、というのがこの部屋の狙いです。

明るい壁紙を選んでおきながら照度を落とすのは、一見遠回りです。ですが「壁の色を暗くして馴染ませる」より「境界そのものを見えにくくする」方が、狭い個室では効果があると感じています。

装飾:ドライフラワーで質感を足す

グレーの壁紙とスチール・真鍮だけでまとめると、無機質すぎて冷たい印象になります。そこで、造作した木のカウンターの上にドライフラワーを置いています。

木の造作カウンターに置いたドライフラワー。無機質になりすぎないよう質感を足している。

生花ではなくドライフラワーにしたのは、水回りでの管理のしやすさを優先したためです。差し替えの手間がなく、色味も部屋のトーンに馴染みます。

別アングルから見たトイレ個室。木の造作カウンターとペンダントライトが並ぶ。

住んでみての検証

住み始める前は、照度を落とした個室で息苦しさを感じるのではないかと懸念していました。壁紙を明るくしたのに部屋自体は暗い、という組み合わせに賭ける形だったからです。

実際に住んでみると、懸念していたほどの圧迫感はありません。壁と天井の境界が視界の中でぼやけているぶん、部屋の正確な広さを意識する場面が少ないと感じます。来客からも「落ち着く」という感想をもらうことが多く、狭さをマイナスに感じさせない仕上がりになったと考えています。

注意点・失敗しやすいポイント

色で対応するか、明るさで対応するかは別の判断

狭い個室の圧迫感対策には、大きく2つの方向があります。壁の色を暗くして境界を馴染ませる方法と、我が家のように壁は明るめにしつつ照度を落として境界をぼかす方法です。どちらも成立しますが、途中で混ぜると中途半端になりやすいので、壁紙の色を決める前に方針を決めておくことをおすすめします。

暗くしすぎると単に見えにくい部屋になる

境界をぼかす狙いで照度を落とす場合、絞りすぎると手元・足元が見えにくくなり、使い勝手が悪化します。光源の位置と明るさは、視認性を確保できる最低限のラインを先に決めてから絞っていく方が失敗しにくいです。

水回りの装飾は生花よりドライフラワーが扱いやすい

トイレや洗面まわりに植物を置きたい場合、生花は水換えや傷みの管理が手間になりがちです。ドライフラワーであれば管理の手間が少なく、インダストリアル系の色味とも合わせやすいと感じています。

まとめ

トイレのような小さな個室では、圧迫感対策を「色」でやるか「明るさ(照度)」でやるかを分けて考えると、判断がぶれにくくなります。我が家は壁紙をあえて明るくし、照度を落として境界をぼかす方を選びました。狭い個室の圧迫感が気になる方には、色と明るさを別軸で検討することを材料にしてもらえればと思います。

家全体の判断軸や、他の空間の紹介は以下の記事もあわせてご覧ください。

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